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2022年1月23日 (日)

文化芸術の基本情報がほしい

前のエントリーの続きみたいなものです。

2021年の年末に「文化審議会第1期文化経済部会(第1回)」なる会議が開催されたのを知りました。ひょっとしたら文化芸術分野の基本情報を収集や分析するのかなと思ったのですが、資料を読む限り、舞台関係は「創り出す」「拡げる」「振興する」が主眼です。委員のメンバーを見ても舞台関係に詳しい人はいないようです。

「グローバルなスケールで活躍するトップレベルの芸術家の育成や、世界的な芸術作品作りを逍遥することで、世界からの『憧れ』を生み出すとともに、日本(人)をさらにプロモートする。」なんて抽象的な文章の極みで、「グローバルなスケール」も「活躍」も「トップレベル」も「憧れ」も「プロモート」も定義がありません。活躍したと言い張ればそれで通る文章です。ただ、しょうがないんですよね。定義の基となるべき基本情報が何もないので。

個別の助成金や支援金を出すより、基本情報を継続的に集めるところに予算を付けて文化庁が活動したほうがいいんじゃないかと最近は思うようになりました。土台のないところに足場は組めません。組んでもあっという間に崩れる。

本当なら業界が積極的に活動するところですけど、「業界の公益」を目指す活動には文化芸術系の業界自体が大なり小なり向いていません。絵画彫刻建築などの文化財が対象だともう少し具体的にできますが、表現系の分野あるいは作家自身といった人間の活動を対象にすると、途端に行き詰ります。

加えて、日本の文化芸術系の分野では、アマチュア活動からプロ活動までの境が曖昧なので、プロ自身が業界分析するのに向いていません。かといってアマチュア活動とプロ活動に明確な線を引くと、日本の場合、その瞬間から業界の衰退が始まると考えます。

だから業界関係者から一歩引いた文化庁がいいと思うのですけど、でも見方によっては文化庁こそ当事者ですよね。都合のいいデータを集めて牽強付会な政策にならない保証はない。そんなことを言ったら切りがなくて誰にも基本情報なんて集められませんけど。

基本情報は誰が何をどうやって出すのがいいんでしょうね。

そういえば新型コロナウィルスで芝居を辞めた人ってどのくらいいるんだろう

どこから数え始めるか難しいですが、そろそろ2年です。新型コロナウィルスで亡くなった人の数は、これを書いている時点でWorldometer記載で日本は18490人。欧米とは文字通り桁が違いますが、それでもこれだけの人数が亡くなっています。

初期には国が全力の自粛からスタートした結果、補償してほしいという声がエンタメ業界から挙がりました。とりあえず一般向けには個人や事業者の支援がありましたが、芝居業界についても文化庁から、予定されていた助成金は支払または繰越が行なわれました。さらに、陳情が功を奏して文化芸術関係で500億円規模の支援金を獲得できました(後にわかった金額は509億円)。この支援金に対して、10万件弱の申請があり、8万件弱、82%が採択されました

ここまでは2020年度の話です。ちなみに2021年度は「コロナ禍の文化芸術活動等の継続・発展等支援」として621億円が組まれました。

これがどのくらい役に立ったのか、知りたいのですが、手段が思いつきません。もちろん、支援金は映像分野なども含めた話なので全額が芝居関係ということはないのですが、支給額ではなく、支給されて実際にどの程度有効だったか、です。一番極端なケースとして、餓死した人は、芝居関係者ではいなかったはずです。それは一般でも特殊なケースなので除外します。一般向けの支援に加えて8万件弱の採択された申請は、果たして有効だったのか。

もちろん、見切りをつけて芝居を辞めた人もいるでしょう。そして、それが別に芝居業界では珍しくない話なのが困ります。1年で1000人が辞めたとして、でも毎年1000人辞めているなら、通常運転です。あるいは、辞めた人はいつも通りでも、新しく活動を始める劇団の数が少なかったとか、そういう見方もあり得ます。

これは立場によっても違います。日本はいろんな分野でアマチュアの活動が盛んなので、脚本、演出、役者、あと制作あたりまでは、本職を持ちつつ芝居活動をしていた人が一定割合いて、しかもそれなりに高い割合を占めていたはずです。一方でスタッフ関係者は、それがどの分野であれ、スタッフの会社に所属、または専業フリーランスの割合が高いはずです。

単純に、演者のほうが芝居では食えない人数が多いという話でもありますし、自粛期間を慣れないバイトで凌いだ人もいるでしょうが、食詰めるところまで追いこまれた人はスタッフと比べて相対的に少なかったはずです。逆にスタッフは、売上げが壊滅的に亡くなって、このままだと食詰めると別業界を考えた人が演者よりも相対的に多いのではないかと想像します。

そういう話をするときに、基本情報がまったくないのが芝居業界です。アマチュア活動が文化の基礎にある日本の場合、おそらく正確な基本情報は集められません。

首都圏と京阪神以外だと、集めようがあるかもしれません。上演場所が限られるでしょうから、そこの上演情報を定点観測すれば、かなり正確な情報が集まりそうです。ただ、首都圏でどうするんだろうと言われると難しいです。特定の劇場をいくつか決めて、その上演情報を定点観測して気長に分析して、ようやく参考になる情報が集まるかどうか、くらいではないでしょうか。

だから、支援金がどのくらい役だったのかを知る方法は、おそらくありません。「役に立った」「有効だった」を定義するための情報がないからです。これだけの金額を突っ込んだのであれば、どのような形であれ役に立ったとしか言えません。逆に、これでまったく役に立たなかったという人がいたら、それはそれで話を聴いてみたいです。

想像では、役に立ったけど、100%補償されなかったから不十分だった焼け石に水だったと文句を言う人が一番多いのではないでしょうか。助けは中途半端だとむしろ恨まれる、それが人情だという話を見かけたので。いやそんなことはない、というならそういう記事がほしいですが、マスコミはそういう話は書きません。

このままだと、今後同様の事態が起きたとき、やっぱり業界のことがよくわからず、何となく支援されて、公式には何となく役に立ったことになって、でも実際の支援対象者からは足りないと文句が出ることが繰返されるんだろうな、とうすらぼんやり考えます。

2022年1月15日 (土)

いろんなキャリアがあるもんだ

昨今マンガも読む頻度が増えました。そのなかで「アンナ・コムネナ」が、なかなか面白かった。もとはTwitterマンガで1話1ページですけど、実在の人物を元に、マンガらしい省略と誇張で描きます。

で、私は紙本派なので、末尾に作者の経歴が載っていました。これがマンガと同じくらい興味がある経歴でしたので、あらためて検索しました。本人のサイトより。

佐藤二葉 (さとうふたば)
俳優・演出家・古代ギリシア音楽家・作家

北海道出身。

国際基督教大学卒業。首都大学東京大学院博士前期課程中退。西洋古典学を専攻し、ギリシア悲劇を研究する。座・高円寺劇場創造アカデミー演出コース修了。

ギリシア悲劇の構成・翻訳・演出・演奏・出演を一人で行う「ひとりギリシア悲劇」を展開。

舞台の出演・演出や、東京学芸大学・国際基督教大学・朝日カルチャーセンターなどでゲスト講師を務めるほか、古代ギリシアの竪琴「リュラー」の演奏活動を行っている。

作家としても活動しており、著書に漫画『うたえ!エーリンナ』(星海社COMICS、2018)、小説『百島王国物語 滅びの王と魔術歌使い』(星海社FICTIONS. 2019年)、『アンナ・コムネナ』(星海社COMICS、2021~)がある。

「ピクニックシアター」の企画・運営を2014年から継続的に行う。

西洋古典学を専攻する人は日本にもいるでしょう。ギリシャ悲劇もいるでしょう。そこから座・高円寺の演出コースにつながる人はなかなかいない。出演者1人のシェイクスピアは観たことがありますけど、翻訳から演奏からなにから1人でギリシャ悲劇をやる人は寡聞にして知らない。他に世界にいるのかそんな人。それにハープでなく竪琴って小説やゲーム以外に現代に登場する楽器なのか。

偏見ですけど、ICUと言われたら納得するようなキャリアです。世の中は広い。

話は戻って、「アンナ・コムネナ」は舞台化に親和性があります。マンガや小説を読み終わった後、これは舞台化できるかアニメ化が向いているか実写化がおもしろいか、と考えることが多いのですが、「アンナ・コムネナ」は舞台化が向いています。完結した暁には誰か舞台化してくれないかと思うのですが、こういうキンキラピカピカの世界はやっぱり宝塚ではないかと一度も観たことがないのにこれも偏見で考えたので、宝塚関係者はぜひ一考を。

出演者に新型コロナウィルスが見つかっても公演続行可能な歌舞伎の底力

歌舞伎でも陽性の報告が出ましたが、そこから先の対応が早い。まずは第一部から。「歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』第一部における新型コロナウイルス感染症『陽性』に関するご報告」が1月13日に出ました。

2022年1月13日
松竹株式会社

 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」第一部の公演関係者1名が PCR 検査の結果、新型コロナウイルス感染症「陽性」であることが確認されました。
 歌舞伎座ではガイドラインに則り、出演者、公演に携わる全ての関係者の安全の徹底をはかり、消毒ならびに第一部の公演関係者の PCR 検査を行います。
 そのため明日1月14日(金)の第一部につきましては、上演を中止いたします。1月15日(土)以降の第一部公演の実施につきましては、決定次第改めてお知らせいたします。
 なお、陽性が確認された公演関係者は、ご観劇のお客様に直接応対する業務には従事しておりませんが、劇場内の該当箇所等の消毒を実施し、また、客席への影響はないことを確認いたしましたので、第二部ならびに、第三部の公演につきましては、予定通り上演いたします。
 また、罹患者については健康状態の経過観察を行うと共に、保健所の判断に従い、随時、必要な対応をして参ります。

 中止いたしました公演のご入場券の払い戻し方法につきましては、決定次第、「松竹公式サイト」「歌舞伎美人(かぶきびと)」にて、お知らせいたします。

 歌舞伎座では今後も、専門家の指導を仰ぎながら、ご来場の皆様は勿論のこと、出演者、公演に携わる全ての関係者の安全を確保し感染拡大防止に向け、迅速に対応してまいります。

 皆様にはご心配、ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げますとともに、
引き続きご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

この段階では「お客様に直接応対する業務には従事しておりません」だったのですが、検査結果が出ました。「歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』第一部1月15日(土)以降の公演についてのお知らせ」より。

2022年1月14日
松竹株式会社

 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」第一部は、公演関係者1名に新型コロナウイルス感染症「陽性」が確認されましたことから、1月14日(金)の上演を中止し、第一部の公演関係者の PCR 検査を行いました結果、『祝春元禄花見踊』に出演の中村虎之介が新型コロナウイルス感染症「陽性」であることが確認されました。
 これに伴いまして、松竹による調査のもと、出演の中村扇雀、中村七之助、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助が濃厚接触者に該当する可能性があり、PCR 検査の結果「陰性」判定ですが、松竹ではガイドラインに基づき、自主的な判断のもと、念のため出演を取りやめることにいたしました。
 そのため明日1月15日(土)以降の第一部につきましては、当面の間、下記の通り上演いたします。

◆歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」 第一部
『一條大蔵譚』
 常盤御前 中 村 歌女之丞
 お京 中 村 京 蔵
 鳴瀬 澤 村 國 久
『祝春元禄花見踊』 ※代役は立てず、演出を変更し上演いたします。

 また、中村虎之介については健康状態の経過観察を行うと共に、保健所の判断に従い、随時、必要な対応をして参ります。
 歌舞伎座では今後も、専門家の指導を仰ぎながら、ご来場の皆様は勿論のこと、出演者、公演に携わる全ての関係者の安全を確保し感染拡大防止に向け、迅速に対応してまいります。
 皆様にはご心配、ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げますとともに、
引き続きご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

配役や演出を変更、だけど稽古なしで翌日から再開、それでいけるのマジっすか、というのが古典芸能の凄いところです。

ちなみに第三部も濃厚接触者扱いによる出演者変更があります。「歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』第三部『岩戸の景清』代役についてのお知らせ」より。こちらは1日の休演もありません。

2022年1月14日
松竹株式会社

 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」第三部『岩戸の景清』(いわとのかげきよ)に出演の尾上松也が濃厚接触者に該当する可能性があり、PCR 検査の結果「陰性」判定ですが、松竹ではガイドラインに基づき、自主的な判断のもと、念のため出演を取りやめることにいたしました。なお、当人は体調の変化もなく、健康な状態です。

 第三部『岩戸の景清』は、1月14日(金)より当面の間、下記の通り代役にて上演いた
します。


◆歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」 第三部
『岩戸の景清』 悪七兵衛景清 市 川 猿 弥

 引き続き、歌舞伎座では、専門家の指導のもと、ご来場の皆様は勿論のこと、出演者、
公演に携わる全ての関係者の安全を確保し感染拡大防止に向け、迅速に対応してまいりま
す。

 皆様にはご心配、ご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げますとともに、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

歌舞伎の底力、あなどれません。

2022年1月 8日 (土)

新型コロナウィルス第6波による公演中止(一部)のトップバッターは宝塚

厳密に調べたわけではありませんが、私の目についた最初の中止です。「花組 東京宝塚劇場公演『元禄バロックロック』『The Fascination!』公演関係者の新型コロナウイルス陽性判定ならびに公演中止について(追)」より。

2022/01/08

※払い戻し方法についてリンクを追記しました。[1/8更新]   

宝塚歌劇では、感染予防対策の一環として、公演関係者全員の検温や体調確認を毎日実施するとともに、定期的なPCR検査を自主的に実施しておりますが、花組東京宝塚劇場公演『元禄バロックロック』『The Fascination(ザ ファシネイション)!』の公演関係者から、新型コロナウイルスの陽性が確認されましたため、1月8日~10日の公演を中止することとなりました。
ご観劇を心待ちにしておられたお客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。

今回、陽性が確認された者は、ご観劇のお客様に直接応対する業務には従事しておりませんが、今後、保健所のご指導も仰ぎながら、施設の消毒等、必要な措置を進めてまいります。

【中止対象公演】
花組東京宝塚劇場公演
三井住友VISAカード シアター『元禄バロックロック』
三井住友VISAカード シアター『The Fascination(ザ ファシネイション)!』
1月8日(土)11時公演(貸切)、15時30分公演
1月9日(日)11時公演、15時30分公演
1月10日(月・祝)11時公演、15時30分公演(宝塚友の会優先公演)
※1月11日(火)は休演日

【チケットの払い戻しについて】
上記公演の中止にともない、チケット料金の払い戻しを行います。払い戻し方法につきましては、改めて当ホームページにてご案内いたします。お手続きの際にチケット・予約番号等が必要となりますので、大切に保管くださいますようお願いいたします。
払い戻し方法につきましては、こちらをご覧ください。

なお、1月12日以降の公演実施につきましては、1月10日(午後)、当ホームページにてご案内いたします。

検査結果受領から、一部公演中止決定、発表までどのくらいで決定されたのでしょう。1日かかっていないと想像しますが、中止決定の対応はさすがです。

それにしても、来たぞ、と年末に言われてから早かった。別にデルタ株かオミクロン株かは記載されていませんが、どちらが来ても第6波には変わりありません。要注意体制に切替です。

<2022年1月15日(土)追記>

公演中止期間が延長になって、しかも他の公演にまで波及中です。まずは「花組 東京宝塚劇場公演『元禄バロックロック』『The Fascination!』公演中止期間の延長について(追)」から。こちらは2月6日まで公演予定なので、様子見を継続です。

2022/01/10

宝塚歌劇では、感染予防対策の一環として、公演関係者全員の検温や体調確認を毎日実施するとともに、定期的なPCR検査を自主的に実施しておりますが、花組東京宝塚劇場公演『元禄バロックロック』『The Fascination(ザ ファシネイション)!』の公演関係者の新型コロナウイルス陽性が確認されましたことから、お客様・出演者・公演スタッフ・劇場従業員の健康に万全を期すため、1月8日~10日の公演を中止いたしました。その後、新たに複数名の新型コロナウイルス陽性が確認されましたことから、花組東京宝塚劇場公演につきまして、公演中止期間を1月23日まで延長させていただきます。
ご観劇を心待ちにしておられたお客様にご心配とご迷惑をおかけしますこと、改めてお詫びいたしますとともに、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
なお、陽性が確認された公演関係者は、いずれも、ご観劇のお客様に直接応対する業務には従事しておりませんが、今後、管轄保健所のご指導を仰ぎながら、施設の消毒等、必要な措置を進めてまいります。
また、ご観劇されたお客様で体調のすぐれない方は、念のため、医療機関やお住まいの地域の相談窓口にご相談くださいますようお願い申し上げます。

【中止対象公演】
花組東京宝塚劇場公演
三井住友VISAカード シアター『元禄バロックロック』
三井住友VISAカード シアター『The Fascination(ザ ファシネイション)!』
1月8日(土)~23日(日)
※1月24日(月)は休演日

【チケットの払い戻しについて】
上記公演の中止にともない、チケット料金の払い戻しを行います。
払い戻し方法につきましては、こちらをご覧ください。

なお、1月25日以降の公演実施につきましては、1月23日(午後)に改めて当ホームページにてご案内いたします。

で、この後に雪組です。見落としていたのですがこちらも様子見だったのが、東京フォーラム公演が丸ごと中止になったようです。「雪組 東京国際フォーラム公演『ODYSSEY-The Age of Discovery-』公演中止について(追)」より。1月22日までの公演期間が観察期間と丸かぶりなので、どうにもならないと判断せざるを得ません。

2022/01/12

宝塚歌劇では、感染予防対策の一環として、公演関係者全員の検温や体調確認を毎日実施するとともに、定期的なPCR検査を自主的に実施しておりますが、雪組東京国際フォーラム公演『ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-』の公演関係者の新型コロナウイルス陽性が確認されましたことから、お客様・出演者・公演スタッフ・劇場従業員の健康に万全を期すため、1月10日~12日の公演を中止いたしました。
その後、管轄保健所のご指導を仰ぎながら、検討いたしました結果、大変申し訳ございませんが、1月22日(土)までの全ての公演を中止させていただきます。
ご観劇を心待ちにしておられたお客様にご心配とご迷惑をおかけしますこと、改めてお詫びいたしますとともに、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

【中止対象公演】
雪組東京国際フォーラム公演
New Year's Spectacular
『ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-』
1月10日(月・祝)~1月22日(土)の全公演

【チケットの払い戻しについて】
上記公演の中止にともない、チケット料金の払い戻しを行います。
お手続きの際にチケット・予約番号等が必要となりますので、大切に保管くださいますようお願いいたします。

払い戻し方法につきましては、こちらをご覧ください。

ちなみに、オミクロン株の濃厚接触者は観察期間を10日間にする、と昨日厚生労働省から発表がありました。「B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて」が元で、その元になったのが国立感染研究所の「SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告 」だと思いますけど、読んでもわかりません。

ただこれ、オミクロン株の濃厚接触者限定であって、デルタ株の濃厚接触者は従来通り14日間なんですよね。検索してもどうも明記していない記事ばかりがひっかかるので追加で検索して見つけました。Yahoo!経由の共同通信「入国者の自主待機10日間に短縮 オミクロン流行国から到着」より。

1/14(金) 22:16配信

共同通信

 新型コロナウイルスの水際対策で、厚生労働省は14日、海外から到着した入国者に求めている14日間の自宅などでの自主待機を、新変異株「オミクロン株」の流行国からの入国については10日間に短縮すると発表した。15日午前0時から適用。14日現在では全ての国が流行国の扱いとなっている。

 国内でオミクロン株感染者の濃厚接触者の待機が10日間になったのに伴う措置。厚労省によると、入国後、同株以外のデルタ株などの濃厚接触者となった際の自主待機は従来通り14日間とする。

で、今のオミクロン株の流行状況は、東京でまだ8割行っていません。「東京都 直近1週間の感染者 約8割がオミクロン株か」より。

[2022/01/12 06:09]

 東京都が新型コロナの感染者を調べたところ、直近1週間で検査した人の8割近くがオミクロン株に感染した疑いがあることが分かりました。

 都によりますと、4日から10日までの1週間に詳しく検査をした感染者1762人のうち、77.3%にあたる1363人にデルタ株などにみられる変異がなく、オミクロン株に感染している疑いがあったということです。

 オミクロン株の疑いがある感染者の割合は先月20日までの1週間では4.1%でしたが、次の週には7.9%になり、今月3日までの1週間には44.6%と急激に増えていました。

 都の担当者はオミクロン株は感染力が強いという認識を改めて示し、「どこまで感染が拡大するかは分からないが、当面続くだろうと考えている」と話しています。

だから一律オミクロン扱いで観察期間を10日間に揃えるにはまだ早いという微妙な状況です。検査して、陽性になって、株が確定して、で2日くらい消えてしまうと、デルタ株の14日間とほとんど変わらなくなってしまいます。もしオミクロン株がデルタ株を席巻して置換えた後なら、一律10日間に短縮された可能性はあって、そうなると、今回の雪組公演の13日間公演日程でもラスト2日間くらいは公演の望みがありました。間が悪かったとしか言いようがありません。

2021年12月28日 (火)

2021年下半期決算

恒例の下半期決算です。

(1)Bunkamura・大人計画企画製作「パ・ラパパンパン」Bunkamuraシアターコクーン

(2)世田谷パブリックシアター企画制作「愛するとき 死するとき」シアタートラム

(3)Bunkamura企画製作「泥人魚」Bunkamuraシアターコクーン

(4)風姿花伝プロデュース「ダウト」シアター風姿花伝

(5)座・高円寺企画製作「アメリカン・ラプソディ」座・高円寺1

(6)座・高円寺企画製作「ジョルジュ」座・高円寺1

以上6本、隠し観劇はなし、すべて公式ルートで購入した結果、

  • チケット総額は43400円
  • 1本あたりの単価は7233円

となりました。上半期の9本と合せると

  • チケット総額は151100円
  • 1本あたりの単価は10073円

です。なお各種手数料は含まれていません。

下期は上期よりも少ない本数に1万円越えの芝居を2本も混ぜたせいで、年間単価1万円を切ることができませんでした。そしてチケット代が面白さの保証にならないことを思い知らされた年でもありました。

チケット代は関係者の有名度に左右されるものであり、逆に言うとどれだけ面白くても高いチケット代を正当化するためには有名人を呼ばないといけないのが一般です。もちろん、有名人が集客力を盾にぼっているかというとそんなこともなく、実力や華があるからこその有名人ですし、集客力です。その辺は芝居の世界はやはりシビアで、応援する側にだって限度がありますから、客も制作者も、時間と財布をどれだけつぎ込む価値があるか常に問い続けています。つかみどころのない、しかもわかる人にはわかる芸という成果を客は求め、はっきり数字で出てしまう集客力という成果を制作は求め、その両方が一致しないことも珍しくない。そんな両極端な評価に四六時中さらされることを考えると、芸能は並の神経ではつとまらない商売であるとあらためて思います。

そんな中で、芝居関係者以外には地味オブ地味な小規模芝居にもかかわらず高めのチケット代をつけて、しかも芝居ファンならずとも観た人全員満足させたであろう(4)を下期の1本、かつ通年の1本に挙げます。(5)(6)もその作曲家の音楽好きなら満足できる出来でしたが、芝居好きとしてはゴリゴリのストレートプレイに軍配を上げます。

劇場オーナーとしてもっと安いチケット代から始めたプロデュースを毎年続けてここまで育て、時期によってチケット代に差をつけて口コミを促すような集客の工夫も取入れて、人気が出る前から発掘した演出家を起用し、少人数でも面白そうな脚本を探し、でもやるからには自分も出演して存分に実力を見せつけてくれる、那須佐代子の気合の集大成のような公演でした。

そして今回の演出は何度目かの登板の小川絵梨子。観た芝居が少ない中で上期の1本の演出家と重なりました。やっぱりこの人の演出を見逃してはいけない、と思いつつ、最高においしそうだった「検察側の証人」は新型コロナウィルスの第5波で挑戦すら見送りました。もったいない。

出演者側では通年から選んで、「東姫」の仁左衛門に1票を入れます。玉三郎と組んでのあの色気は双方ともすごかったのですが、私は仁左衛門を贔屓します。こちらも、古典寄りの歌舞伎を、勉強ではなく楽しむための道しるべとして、出演機会はなるべく押さえたい。なのにせっかく玉孝コンビで上演された「東海道四谷怪談」は新型コロナウィルスの第5波で挑戦すら見送りました。もったいない。ただ、1幕立見のない昨今、歌舞伎は気軽に観ることもままならないので、そこは財布との相談となります。

財布と相談も必要ですがもうひとつ、総額だけでなく単価が上がりすぎなので、自分の芝居選びの眼が偏ってきているのではないかと心配しています。偏ったって誰に悪いこともないのですし、己に自分の趣味を厳密に問うて偏るなら結構なことですが、見極めるのを放棄して高いほうが品質安定だろと安易になるのはよろしくない。そしてチケット代が面白さの保証にならないのは先に書いた通りです。新型コロナウィルスのため気軽に観に行けない例外的な時期だとしても、それは意識しておかないといけません。あらゆる観た芝居に楽しさを見出す達人の領域には程遠いので、体力の続くうちは選択眼くらいは磨いておきたいという思考です。

自分で書いていて、趣味を楽しむために趣味に対して厳しくなるという、本末転倒な領域で迷子になっているなと思いました。早くこの領域を脱け出してもっとリラックスして楽しめる領域までたどり着きたいです。

その他の話題です。芝居っぽい話だと劇場建替えとか芸術監督交代とかさいたまゴールドシアター解散とか、時の流れを感じさせる話題が多くありました。そして今年は延期されたオリンピックが開催されたのに、開催されたのかというくらい記憶がない。一番記憶にあったのは小林賢太郎の解任話です。が、そこはもう触れません。

さらに、引続き新型コロナウィルスに振回された1年でした。芝居関係ではクラスターもあれば中止もあれば感染者もあり、とても全部をブログにできる分量ではありません。その中でも一番気になったのは芝居でなく音楽イベント開催を強行した話です。

開催にあたっていろいろ適当に申告していたことがわかり、強行した理由がお上に突っ張るでもなんでもなく単にイベントでいっちょ稼ぎたいという、素朴と言えば素朴な理由だったことが後でわかりました。が、それを評して「単純に"ちゃんとしてない人"だった」「ダサい」という輪をかけて素朴な感想のツイートを目にしたとき、私の中にあったいろいろな思い込みが洗い流されました。「格好いい」ものは存在せず、それを格好いいと思いこむ自分および周囲の価値観の表れが格好いいの正体である、「格好悪い」もまたしかり、どちらも人の思い込みによる相対的なものである。そう考えたらいろいろ楽になりました。

まだ考えがまとまっていないところで大げさに書きますが、別に「格好いい」に限らずこの思い込み、なんというのか、人間は自分の外に「いい」と「悪い」を作りたがる、作らないと生きるのがつらいんじゃないかとうっすら思いました。それの最たるものが宗教なわけですが、宗教に限らず、何か基準を外に求めたがるとでもいいますか。全部を自分で引受けることの困難さといいますか。

適当に書いたので気にしないでください。以下は来年に向けての話題になります。

一番は自民党が参議院の立候補に漫画家を立てての表現の自由に関する話題です。ことさらに取りあげるのは、表現の自由なんて芝居関係者には自明のことと考えるのは早計だからです。もともと左翼的イデオロギーの強い舞台関係者の中に自民党大嫌いという人達が一定数いて、表現の自由より自民党嫌いを優先させるひねくれものが一定数出てくる可能性があります。私自身もその傾向がありますが、大義のために気に入らない奴のことを我慢するくらいなら、大義なんて蹴っ飛ばして気に入らない奴をけなすほうがいい、と思うことは度々あります。それが行き過ぎて、自民党を応援することになるくらいなら表現の自由をあきらめてもいいと言い出す関係者が出てこないか、比べられないものを比べて蹴っ飛ばす人が出てきてしまわないか、今からドキドキしています。出てこないことを願います。

次に新型コロナウィルスの話。第6波が来そうな現状ですが、国内はオリンピック後の3か月はかなり上手に推移してきました。が、日本だけが落着いてもまだ駄目で、世界経済がつながっている現代では、海外も落着いてくれないと混乱が収まりません。来年には収まってほしいですが、収まる気配は遠く、特に欧米は一向におさまりません。ワクチンを疑うから打たない人たちの気持ちはまだわかるのですが、あれだけ人が死んでも、買えないとか物がないとかの理由もなくマスクをしないのは、あれが文化なのか死ぬのが怖くないのか、さっぱり気持ちがわかりません。自分が感染するのを防ぐためのマスクではなく、他人に感染させるのを防ぐためのマスクなのが難しいところで、着けたい気分をそそってくれないのでしょうか。

(6)で書き忘れたのが、ああ2年前に観たかったという感想です。パリで社会活動を頑張ったフランス人文学者、という登場人物を素直に格好いいと思えたのは2年前までです。新型コロナウィルスに関連したヨーロッパの記事、それは悪いからこそ記事になるという偏りがあるのは事実ですが、それにしてもヨーロッパは、上は自国を守るのが最優先だし、下はとりあえず何でも気に入らなかったらデモをやるのが、よくいえば伝統だと感じました。別に間違ってはいませんが、日本は武士道の勇気と忠義、中国なら儒教の倫理と道徳のように、その国にないものが出てくるんだな、それが欧米だと自由平等博愛なんだな、という歴史をかみしめました。なんだか上から目線ですが、でも、(6)で主人公が活動にのめり込む終盤に、ちょっと引いてしまったのは事実です。

最後は戦争の話題です。新型コロナウィルスという世界的危機でも、世界は団結できないという歴史の貴重な1コマを体験中です。芝居でも映画でもマンガでも、全世界の危機には各国が一致団結して立ち向かうものなのに。で、直接は、中国が戦争を始めるかどうかです。台湾を取られたら日本の海上物流が死ぬので、日本も参戦せざるを得なくなります。そうなったら芝居どころではありません。そして、西は西でウクライナ周辺でロシアとNATOのにらみ合いが続いています。両方いっぺんに戦争になったらどうにもなりません。今年は無事でしたが、北京冬季オリンピックの後がどうなるかと言われているので、何も起きないことを願います。

波乱含みの1年に何事もないように祈りながら、果たして何本の芝居が観られるのか想像もつきませんが、引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。

2021年12月27日 (月)

2022年1月2月のメモ

妙に2月に偏ったメモです。少し前に調べたので直すかもしれません。

・国立劇場主催「通し狂言 南総里見八犬伝」2022/01/03-01/27@国立劇場大劇場:読んだことがないから通し上演なら観てみたい

・パルコ・プロデュース「ロッキー・ホラー・ショー」2022/01/13-01/16@神奈川芸術劇場ホール、2022/02/12-02/28@PARCO劇場:古田新太の一世一代

・新国立劇場主催「理想の夫」2022/02/01-02/06@新国立劇場小劇場:オスカー・ワイルドの喜劇が気になる演劇研修所修了公演

・松竹製作「二月大歌舞伎 第二部」2022/02/01-02/25@歌舞伎座:仁左衛門で義経千本桜だけど部分上演だしどうしたものか

・松竹/Bunkamura主催企画製作「天日坊」2022/02/01-02/26@Bunkamuraシアターコクーン:チケットが手に入らないことを除けば期待度高いです

・劇団民藝+てがみ座「レストラン『ドイツ亭』」 2022/02/03-02/12@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA:粗筋も重そうだし自分でも理由不明だけどなんとなくピックアップ

・Makino Play「モンローによろしく」2022/02/03-02/13@座・高円寺1:マキノノゾミの自作演出団体による第2弾

・東宝/キューブ企画製作「SLAPSTICKS」2022/02/03-02/17@シアタークリエ:パルコ劇場でやってた再演版がとても良かった記憶がある

・地人会新社「二番街の囚人」2022/02/10-02/20@赤坂RED/THEATER:濃ゆい役者を揃えてニール・サイモン

・神奈川芸術劇場企画製作主催「ラビット・ホール」2022/02/18-03/06@神奈川芸術劇場大スタジオ:この役者とスタッフでこけたら許さんという陣容

オミクロン株による新型コロナウィルス第6波がどうなるか、と固唾をのんで見守るところで、前売券を買うのもためらわれます。第6波が明らかになったら諦めやすいですけど、それを望むものではないので、実に悩ましいです。

2021年12月26日 (日)

座・高円寺企画製作「ジョルジュ」座・高円寺1

<2021年12月26日(月)昼>

恋多き女として知られたフランスの女流作家ジョルジュ・サンド。恋人だった弁護士に連れられて聴いたショパンにほれてショパンとつき合い始め、にも関わらず2人を支える弁護士。病がちなショパンの看病と社会運動の盛上がりにやがて分かれるまでを、ジョルジュと弁護士との往復書簡で描く。

同じ斎藤憐脚本で往復書簡にピアノを加えた「ピアノと音楽」シリーズだけど、「アメリカン・ラプソディ」がガーシュイン中心に描いていたのに比べると、こちらはタイトル通りショパンではなくジョルジュの話。ただしショパンとつき合っていた時代のジョルジュを取りあげることで、音楽家のことも描く「ピアノと音楽」シリーズの形式に寄せている。

それはジョルジュが恋多き女というわかりやすい面に加えて、女性の自立とか社会の変革のために奔走した活動家の面があったから。「アメリカン・ラプソディ」でガーシュインが行なっていた活動の役回りを担っていたのが、今回だとジョルジュ。やっぱりそういう志向があったんだろうな脚本家、と勝手に裏読みする。

今回はさすがに芝居成分多め。簡単そうにやっているけど絶対簡単じゃない演技というか朗読をさらっと展開する竹下景子。何年もやっているからこその境地か。一方の植本純米はおどけたおおげさな演技に小ネタを加えることでドロドロさせずにおしゃれさを維持しつつ引いた線は壊さない芸達者。相手の読みにも細かいリアクションを入れておりそれが楽しめるのはこの規模の劇場の特権。関本昌平のピアノは曲によって細やかさと激しさを使い分けて自由自在。いまさら「あの曲もショパンだったんだ」という発見も多かった。

弾いていたのは「アメリカン・ラプソディ」と同じピアノだったけど、今回のショパンの曲は馴染んでいた。たぶん、ピアノ自体がこういう曲向けで、さらに軽く弾いても音の響きが強く出るように作られている。前回不思議な音と思ったのはピアノが理由だった。

何年か前から気になっていた演目を今年になって観ることができたのに満足だし、実際に楽しかったことにも満足。

あとは劇場メモ。劇場に入るところで検温と消毒、場内マスク着用依頼、くらいしか前回はしていなかった。今回行なわれていた工夫で「おっ」と思ったのは、場内入場口に台と固定したスマホを用意して、スマホのカメラで動画撮影しっぱなしにしておき、焦点距離の合った台にチケットを置いてから(客が)もぎりを行なっていたこと。券面に名前が書かれているから、その記録を省力化するためだと思われる。いろいろ応用できそう。

もうひとつ。盲人の客を見かけた。白杖の人を劇場の人が案内していたり、夫婦で片方が盲人で盲導犬と一緒に入場していたりした。音楽朗読劇なので相性がいいのだろうけど、こういうところで融通が利くのはほどほどの規模の公立劇場ならでは。劇場の客席は段差が多いから危ないのだけど、何年もやっている企画だから慣れているのか案内も無事だった。機会があれば芝居はいろんな人が観に来るものだと今さらながらに考えさせられた。

2021年12月22日 (水)

Wキャストの主演女優が亡くなった時の対応の記録

「マイ・フェア・レディ」の話です。あまり細かい話には触れないで、記録のつもりで。まずはスケジュールの確認。

・2021/11/14-11/28 東京
・2021/12/4 埼玉
・2021/12/10-12/11 岩手
・2021/12/17-12/20 北海道
・2021/12/25-12/26 山形
・2022/01/01-01/03 静岡
・2022/01/06-01/07 愛知
・2022/01/12-01/14 大阪
・2022/01/19-01/28 福岡

新型コロナウィルス以降、今どきこんな絵にかいたようなツアースケジュールがあるのと思いつつ、陽性者が出たときの中止対応もスムーズに行なえる、理想的なスケジュールです。

出演者はイライザ、ヒギンズ教授、フレディがWキャストで組まれていて、それぞれ
・A 朝夏まなと、別所哲也、寺西拓人
・K 神田沙也加、寺脇康文、前山剛久(博多公演は寺西拓人)
となっていました。

東宝公式サイト「公演に関する重要なお知らせ」より。

神田沙也加さんは12月18日(土)に急逝されました。
ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

現在全国ツアー公演中の『マイ・フェア・レディ』札幌公演につきましては、公演の継続は困難との主催者の判断により、12月19日(日)、20日(月)の公演の中止が決定されました。お客様には大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。

チケットの払い戻し方法につきましては、道新プレイガイドのホームページにて12月2
0日以降発表させていただきますので、そちらをご確認くださいますようお願い申し上げ
ます。なお以降の全国ツアー公演については、後日改めて当ホームページおよび各地の主催者のホームページにてお知らせいたします。

広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます。

2021年12月19日
東宝株式会社

報道では、12月18日の昼公演がチームKの予定だったところ、神田沙也加と連絡が付かないので当日は朝夏まなとが代演、翌日以降の北海道公演を中止した、となっています。

このあとどうなるかと思いましたが、チームAのみでの公演続行となりました。「ミュージカル『マイ・フェア・レディ』12月25日(土)以降の公演に関する重要なお知らせ」より。

神田沙也加さんは12月18日(土)に急逝されました。
ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

12月25日(土)から明年1月28日(金)にかけての山形・静岡・愛知・大阪・福岡公演につきましては、各主催者との協議のうえ、イライザ役・ヒギンズ役・フレディ役の3役を、朝夏まなと・別所哲也・寺西拓人の「チームA」にて、全公演を務めさせて戴くことといたしました。神田沙也加・寺脇康文・前山剛久の「チーム K」の公演を楽しみにされていたお客様におかれましては大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。何卒ご了承いただけますと幸いに存じます。

広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、
心からの哀悼の意を捧げます。

2021年12月21日
東宝株式会社

両チームからの代表コメントをスポーツ報知「寺脇康文、沙也加さん遺作『マイ・フェア・レディ』25日再開も出演キャンセル『本当に悩みました』」より。

2021年12月21日 17時15分
(前略)
 沙也加さんの訃報を受け、札幌公演は19、20日の2公演が中止に。関係者が公演続行について協議を重ね、25日から再開することになった。沙也加さんが演じていた主人公イライザ役はダブルキャストの朝夏まなとが一人で演じきる。お互いをリスペクトし合い、プライベートでも仲良く深い絆で結ばれた2人。朝夏は悲しみをこらえて舞台に立つ。

 寺脇康文「この度、『マイ・フェア・レディ』の残りの公演の出演を、キャンセルさせていただくことに致しました。舞台人として、どうあるべきか、本当に悩みました。プロ意識に欠けるのかもしれません。それでも、イライザとヒギンズの二人三脚で作ってきたこの作品をこのまま続けることは今の僕には難しく、東宝さんをはじめとするカンパニーの皆さんもそのわがままを受け入れてくれました。楽しみにしてくださったお客様には大変申し訳ありません。自分にとっても本当に大切なこの作品は、朝夏まなとさん、別所哲也さんコンビが引き受けてくれます。最大の感謝とともに、千穐楽までの完走を祈ります」

 朝夏まなと「いつもインタビューで一番好きなミュージカルは『マイ・フェア・レディ』と言っていたさぁちゃん。(神田沙也加さんをこう呼んでおりました)私の宝塚退団後の初ミュージカルが本作品で、さぁちゃんからたくさんのことを教えてもらったり、他愛もない話をしたり、すぐに打ち解けて仲良くなりました。生き生きとイライザを演じるさぁちゃんが眩しくて、歌声も大好きでした。今、思い浮かぶのはさぁちゃんの笑顔です。日本で初めて上演された歴史あるミュージカル『マイ・フェア・レディ』。上演か中止か、どちらの決断が下されてもきっと様々な方々のお気持ちが複雑に交錯することもあるかと思います。けれどこの作品を愛する皆さまの気持ちも一緒にすべてのカンパニーキャスト、スタッフが一丸となり『マイ・フェア・レディ』を続けていくこと、この作品を全国の皆さまにお届けしたい…それがみんなの願いです。カンパニーを代表しまして、心よりご来場をお待ち申し上げます」
(後略)

公演中に亡くなった例としては、初日の上演中に亡くなった中嶋しゅうの例があります。その場で上演停止、代役を立ててから1週間後に再開、でした。

ただ今回は追加の話があります。FRIDAY DIGITAL「神田沙也加さん急逝 結婚の話もあった交際俳優の悲しみ」より。これが本当なら寺脇康文が大人のコメントを出して引いたのも納得です。

2021年12月21日

多くの人に衝撃を与えた突然の死。ここに姿を見せていないもう1人も、悲しみの淵にいる。舞台『マイフェアレディ』で共演していた舞台俳優の前山剛久だ。

「沙也加さんと前山さんは3年ほど前から面識はあったようですが、今年に入ってから本格的に交際をスタート。舞台だけでなく、アニメ作品など、共通の話題が多くあったことから、すぐに意気投合したとのことです」(芸能プロ関係者)
(中略)
共演者だけでなく、関係者からも2人の親密ぶりは有名だった。

「実は2人は結婚の話までしていたそうで、それくらい幸せに包まれていた。最愛の人の突然死に、前山はまだ現実を受け入れられていないようです。彼のツイッターは12月17日を最後に更新が途絶えています」(前出・芸能プロ関係者)

裏でどのようなやり取りがあったかわかりませんが、今回はこのようになりました、という記録です。合掌。

2021年12月20日 (月)

世田谷パブリックシアターの次期芸術監督は白井晃に交代

コンパクトにまとまっていたので読売新聞「野村萬斎さん、世田谷パブリックシアター芸術監督を来春退任…後任は白井晃さん」より。

2021/12/20 18:25

 東京都世田谷区の公共劇場「世田谷パブリックシアター」は20日、2002年から芸術監督を務めている狂言師、野村萬斎さん(55)が、来年3月末で退任すると発表した。後任は、演出家・俳優の白井晃さん(64)で、来年4月に就任予定。

 同劇場の芸術監督の任期は1期5年で、萬斎さんは連続4期を務めた。18年の読売演劇大賞で最優秀作品賞となった「子午線の祀り」など、伝統芸能と現代劇の融合を求めた多数の作品の企画や演出などに携わった。

野村萬斎はまだまだやると思っていたので驚きました。4期20年で一区切りとはいえ、今後は狂言の家元業に注力するために退任するのか、さすがに20年経ったから交代してもらいたいと劇場側が思ったのか、その両方なのか。記者会見は2月に行なうそうなので、そこで話が出るでしょう。

そして白井晃。個人的には、白井晃は訳わかんない系の芝居が好きな人という印象を持っているので、劇場主催演目のラインナップが妙に凝ったものにならないか心配しています。もともと世田谷パブリックシアターはダンスに強くて、それは芝居好きのダンス苦手から見ると訳わかんない演目を上演しがちな劇場です。ダンスが悪いわけではありませんが、芝居の演目は、劇場側が意識して派手目に引張ってほしいです。

ところで、白井晃は神奈川芸術劇場の次期芸術監督発表の時に「2021年には僕は63歳で、もし2期目を務めたら68歳。そんなおっちゃんがやってどうすんねん!と思う」って言っていたのに引受けるんだとこちらは別の驚きです。もっと続けてもらうつもりだったのが野村萬斎が急に辞めると言ったか、他の候補者を探していたけど調整が着かなかったか、どちらにしても時間がない中で1期5年のつなぎではないかと思います。

じゃあつなぎが終わった5年後に誰を狙うんだと言ったら、まさか次も神奈川芸術劇場から長塚圭史を引っ張ってくることはないはずです。長塚圭史本人も劇場側も、2期は務める予定でしょう。なら劇場として誰を狙うか。まっさきに思い浮かぶのは、2期8年が終わって演劇研修所の所長をやっているであろう小川絵梨子が第一候補ですよね。そこから開始なら最低3期15年は務まる年齢です。個人的には新国立劇場で3期12年を務めるに不足のない芸術監督だと思いますが、劇場側がよしとするかがひとつ、本人が次の環境を望むかもしれないことがひとつ、ということで可能性十分です。このブログでは5年後は小川絵梨子、に勝馬投票権を張ります。

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