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2021年10月 9日 (土)

歌舞伎座の新型コロナウィルス対策の記事から関係ないところを拾ってみる

SPICEに載っていたので紹介。具体的な対策は読んでもらうとして、脇の話をいくつか。

橋本:根底には、演劇の灯を絶やしてはいけないという思いが強くあります。興行が止まることで俳優だけではなく、舞台を支えるスタッフや関連会社、職人たちの技術の継承を止めてはいけないという思いです。その上で、興行ですから収支的な判断からは逃れられません。正直、大変厳しい状況が続いております。その中で50%を維持しているのは、お客様のニーズを見据えた結果です。歌舞伎座にいらっしゃるお客様の中には、安全対策を徹底していることで、ご家族様が『歌舞伎座ならば』と送り出してくれることもあると聞きました。私たちは、歌舞伎を愛してくださるいつものお客様に安心を提供することを優先しています。

千田:海外や遠方からのご来場が難しいご時世、いまの歌舞伎座を支えてくださっているのは、昔から歌舞伎に親しみ、歌舞伎座に来ることが生活の一部となっている、いわゆる常連のお客様。今月のお客様の多くは、おそらく来月もお運びくださいます。1か月に複数回おいでの方もいらっしゃいます。そういったお客様に、安定したサービスを提供することが、大切だと考えています。

良くも悪くもその影響が出るのはもう少し先ですが、観客像を絞ることで対策を進めやすくなっただろうなと思います。

橋本:再開できたのは、巡り合わせが大きかったように思います。歌舞伎座は、現在、歌舞伎だけを上演する劇場で、歌舞伎には“古典”というレパートリーがありました。ロビーの広さや、楽屋の数、配置など、もともと密にならない構造で、換気設備は、通常の運用でも数値的にガイドラインをクリアできていました。ただ、お客様には、視覚的にもご安心いただけるよう、上演中も通路や桟敷席の扉を開放することにしました。歌舞伎座は、たまたまそれができる劇場だったということです。

これは本当にそう。劇場設備で安心感がガラッと変わる。

橋本:コロナ禍により、上演時間の制限ができました。奇しくもこれによって、古典の台本の見直しが進んでいます。古典歌舞伎の上演時間は、現代の感覚だと少し長いのではないか。現代にあった構成や見せ方を模索するべきではないか。そのような動きが、以前からありました。ふり返れば約50年前、海外公演で『仮名手本忠臣蔵』をやるために、本来3時間かかる「大序」から「四段目」までを、1~2時間に再構築したこともあります。先人の知恵を手ぐりよせ、古典として守るべきところは守り、お客様のニーズに即して見直し、制約の中でも感動が充分に伝わる芝居をどう作っていくか。同時に、歌舞伎は古典だけでなく、時代を反映した新作との両輪で成り立っています。この時期に我々に与えられた課題と受け止め、取り組んでまいります。

中の人でもそう考えていたんだという発見。個人的には、なりふり構わない人気演目の連発がうれしいですね。

それにしても製作部部長の橋本氏、ずいぶん役者顔だけど、関係者出身の人かな。当事者感あふれる面魂の写真ですね。奇跡の一枚なのかな。

筋が悪い海老蔵の新橋演舞場公演

2022年1月公演です。ステージナタリーより。

にしのあきひろ(西野亮廣)の絵本「えんとつ町のプペル」は、ゴミ人間・プペルと、少年・ルビッチが紡ぐファンタジー作品。昨年、「映画 えんとつ町のプペル」のタイトルで映画化されたほか、これまでにも数多く舞台化されている。

「えんとつ町のプペル」を原作とした新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」では、原作・脚本・空間 / 美術演出を西野、演出を藤間勘十郎が担当。主人公のプペル役を市川海老蔵が勤め、原作のルビッチにあたる玄(げん)役を、海老蔵の実子である市川ぼたんと堀越勸玄が演じる。また海老蔵は、物語の鍵を握る玄の父親役・熊八役も兼任する。

作者と作品は別モノなのは新型コロナウィルス騒動で見せつけられましたが、それはそれとして。

芸能界としても触らないほうがいい人、あるいは芸能界から見てもやばいから活動を別枠に隔離したほうがいい人はいるわけです。個人サロンその他で素人相手に芸以外を提供して対価を取る、阿漕な商売をしている西野亮廣はそういう別枠の人だと私は認識しています。

それを原作として作品だけ触るならまだしも、脚本と美術まで絡ませるのはあんまりじゃないのかと考えます。以前、海老蔵が干されていると書きましたけど、こんな付合いがあるようでは干されても仕方がありません。後先はわかりませんが、あるいは干されたからこういう付合いにのめり込むようになったのかもしれません。どこで読んだか、オリンピックの開会式に出たのは禊が済んだことになると書かれていましたが、それでこんな公演をするようでは禊のかいがありません。

料金設定も自由なもので、SS席3万円という破格のチケット代です。値上げ著しい歌舞伎座ですら三部制の1等席1万5000円。仁左衛門玉三郎の桜姫東文章の上の巻下の巻2回分と同額です。参考までに宝塚を調べると本公演でSS席1万2500円です。ちなみに私が観たことがある1本で最大金額は中島みゆきが赤坂ACTシアターでやった夜会の2万円です。価格は需要と供給ですから、売れると踏めば高くつけること自体に反対はありません。ただ、興行には相場というものがあるので、この公演が通常興行とは違う位置づけにある、ということはわかるはずです。サロン向けの価格です。

新橋演舞場は松竹の管轄だから、こんな公演を許して、ここまで干してきた松竹も新型コロナウィルスで背に腹は代えられなくなったのかと最初は思いました。が、チラシをよく見ると「主催・制作 新作歌舞伎『プペル』実行委員会」とありました。劇場は貸してもあとは知らんということでしょう。正しいです。表の商売として危ない筋との付合いは無くすのが世間の流れで、ここまで松竹が海老蔵を干してきたことにも納得しました。

歌舞伎にそこまでのめり込んでいるわけではありませんが、こんな付合いにめげずに堀越勸玄市川ぼたんがまともに育つことを願ってやみません。

2021年9月 2日 (木)

2021年9月10月のメモ

いつもだと入れるものを外したり、入れないものを残したり、かなり雑にまとめました。

・松竹制作「東海道四谷怪談」2021/09/02-09/27@歌舞伎座:第三部で仁左衛門玉三郎がこんな有名演目なのになあ

・神奈川芸術劇場企画製作「近松心中物語」2021/09/04-09/20@神奈川芸術劇場ホール:せっかくの大型企画がこの時期に

・劇団青年座「ズベズダ」2021/09/10-09/20@シアタートラム:何となくよさそうな野木萌葱の何となく史劇モノ

・劇団☆新感線「狐晴明九尾狩」2021/09/17-10/17@赤坂ACTシアター:吉岡里帆に舞台でも狐の格好をさせたかったんだろうなこのミーハースケベそれでこそ新感線、とタイトルと出演者だけ見て根拠なく断言します

・こまつ座「雨」2021/09/18-09/26@世田谷パブリックシアター、2021/10/02@関内ホール大ホール:脚本が面白いらしいけど

・パルコプロデュース「ジュリアス・シーザー」2021/10/10-10/31@PARCO劇場:オールメールは蜷川幸雄がよく使っていた企画ですけど今回はオールフィーメールで吉田羊を主演に森新太郎演出で

・unrato「楽屋」2021/10/16-10/24@赤坂RED/THEATER:余裕があれば観に行きたくなるような上演が多いですねこの団体は

・iaku「フタマツヅキ」2021/10/28-11/07@シアタートラム:すこしずつ上演劇場が広くなっています

・パルコプロデュース「ザ・ドクター」2021/10/30-10/31@さいたま芸術劇場大ホール、2021/11/04-11/28@PARCO劇場:あらすじを読んだだけで大竹しのぶ無双が観られると根拠なく断言します

他にシーエイティプロデュース企画製作「検察側の証人」2021/08/28-09/12@世田谷パブリックシアタ―、ホリプロ企画制作「ムサシ」2021/09/02-09/26@Bumkamuarシアターコクーンが繰越し。

本多劇場グループのホームページが整理されて見やすくなっていました。そして上演数はいつも通りですが、いつもだと見かける中堅グループをほとんど見かけませんでした。大手劇場よりこういう規模の劇場により影響は強めに表れています。

2021年9月 1日 (水)

単発の新型コロナウィルス対策横紙破りイベントに冷静に振舞う県知事の話

今回は音楽イベントの話ですけど、メモ。理由は後に載せます。キャリコネニュース「野外フェスに激怒した大村知事が、それでも『音楽フェスは原則やめて』と言わない理由」より。

参加者が「密」になっている状態がネットで報告され、大炎上している音楽フェス「NAMIMONOGATARI」。開催場所となった愛知県の大村秀章知事が8月30日に記者会見で抗議し、

「こういうことであれば、『これが最後。終わり』ということになります。今後、やってもらっちゃ困る」

と、同イベントに二度と県内の行政関連施設を利用させない意向を表明した。

大村知事は、フェスの開催場所が海岸だということをふまえ、「(ある程度大きな海岸は)公共のスペースになると思いますが、それはもうお貸ししません。県管理だけじゃなくて、市町村にもやめてもらいます。こういう方は信用できませんので。この事業者の海浜コンサートはやめていただくということであります」と語気を強めた。

フェスが終わった29日夜、「ネットを見ていて、なんじゃこりゃと思った」と打ち明けた大村知事。イベント開催について、県の担当部局からは事前に知らされていなかったという。

大村知事は「ネット等での投稿画像によれば、ステージ前では適切なソーシャルディスタンスは、どうも確保できていなかったのではないかと疑われる。お酒についても、発注キャンセルできるものはキャンセルしたが、一部提供があったもようだ」と、県側の現状認識を説明した。

県によると、フェスの会場となったのは、愛知国際会議展示場株式会社が運営権(15年間)を買いとって運営している「中部国際空港島のアイチスカイエキスポ」。県は8月に入ってからも、同社や主催者と折衝を繰り返し、8月12日、24日、26日、27日と4回にわたって感染防止策の徹底を呼びかけていたという。
(中略)
それなのに、今回の事態となった。SNS上で動画・写真で会場の「密」状態が拡散され、県は酒類の提供があったことを確認したという。

大村知事は何度も首をかしげるなど、不快感をあらわにしながら、「こういう形の、横紙破りのようなことをやられると、一生懸命、真面目に取り組んでおられる方々の足を引っ張る形になりますし、我々としても極めて遺憾だということであります」と述べた。

一方で、記者から「音楽フェスは、原則やめてというメッセージは出さないのか?」と問われると、大村知事は「それは違う」として、次のように理由を述べた。

「それをやると、真面目に一生懸命、感染防止対策をやって、音楽業界・関係のみなさんの仕事も一生懸命支えたい、両立させてやっていきたいという人を、潰しちゃうことになりますよね。叩いちゃうことになりますよね。それは、私は違うのではないかと思います。こういう約束を守っていただけない方のために、一生懸命守っている方が被害を受ける、迷惑を被るということは、これは違うと思います」

「極端な話、もう日本には音楽、コンサートといった文化・芸術・アーティストは要らないと、なくていいというのであれば別ですが、そんなことは誰も思っていない。どうやって両立していくのかということですよね。ですから、感染防止対策をしっかりしたうえで、厳しい状況を乗り越えていこうと申し上げたい」

「そういう中で、『自分の会社さえ儲かりゃいいんだ』『そんなの、知ったことか』と『県にはこう言っておくけど、実際の客がどうするかは知らんわ、そんなもん』という行動を取られた方は、極めて遺憾だ」

大村知事は「事実関係をさらに確認したうえで、厳正に対処したいと思っております」と述べていた。

なおこの後も主催者に嘘ついているんじゃねえよとTwitterも使って詰めています

この大村県知事、表現の不自由展で始めて名前を知りました。その時に、名古屋市長たちを「憲法違反の疑いが濃厚と思う」「行政や役所など公的セクターこそ表現の自由を守らなければいけないのではないか。自分の気に入らない表現でも、表現は表現として受け入れるべきだ」と表明していたからです。ずいぶん是々非々を通す人だと印象に残っていました。今回も業界全体と馬鹿な主催者とを混同してはいけないと明言しています。政治手腕についてはまったく知りませんが、芸術芸能の表現業界に興味がある人たちは名前を憶えておいたほうがいいです。

ちなみに本件の他にも、直前にフジロックで同様の騒動がありました。私の感想は以下のTweetが代弁しています。「ダサい」と思われてしまうことがどれほど手痛い失態かは、表現の業界に限らず、あらゆる商売で気を付けるべき心構えです。

はると@tonkatsudesu
「あぁ、あの人が斜に構えてるのは、考えがあってのことだったり、世を儚んでやってるのか」

と思ってたものが

「なんだ、単純に"ちゃんとしてない人"だったんだ」
と判明したときのダサさがあるな、今回のHIPHOP界隈やら、Gotchやらのフジロック勢を見てて思うのは。
午後3:02 ・ 2021年8月30日

2021年8月29日 (日)

PCR検査の間隔を想像させるTeam申の京都大千秋楽中止

まずは京都新聞「佐々木蔵之介さん新型コロナ陽性 京都の演劇公演中止」より。

2021年8月29日 10:02

 京都府立文化芸術会館(京都市上京区)で17日から演劇公演「君子無朋」を開いていた俳優の佐々木蔵之介さん(53)=京都市出身=に29日、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が確認されたため、千秋楽の予定だった29日の公演が中止となった。

 蔵之介さんは自らの演劇ユニット「Team申(さる)」で、「君子無朋」の全国巡演を7月17日の東京公演からスタート。京都公演の29日でフィナーレを飾る予定だった。28日も昼夜2公演を開いていた。

正直に発表するのはいいことで、それで中止にするのもいいことです。ただ、大千秋楽の日曜日1日だけが中止になったということは、金曜日検査の土曜日結果ということです。

どういう日程でPCR検査をしているのかは気になったので上演日程を見てみました。今時珍しく東京より京都公演のほうが長いです。

・東京 東京芸術劇場 シアターウエスト 2021年7月17日(土) -7月25日(日)
・宮城 電力ホール 2021年7月28日(水)
・石川 北國新聞赤羽ホール 2021年7月31日(土) -8月1日(日)
・広島 JMSアステールプラザ 大ホール 2021年8月3日(火)
・福岡 柳川市民文化会館 水都やながわ 白秋ホール 2021年8月7日(土)・8日(日)
・長野 長野市芸術館 メインホール 2021年8月11日(水)
・新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場 2021年8月14日(土) -2021年8月15日(日)
・京都 京都府立文化芸術会館 2021年8月17日(火) -2021年8月29日(日)

これ、1日公演の現地で検査ってできませんよね。いや検査してもいいんですけど、検査結果が出るのは早くて翌日だから、移動後の会場に通知されたら陽性の人が移動したと騒ぎになります。それでなくとも主役が12日半隔離されたらほとんどの会場で公演が中止です。かといって毎日検査するわけにもいかない。

何となくですけど、だいたい1週間で検査していたのではないでしょうか。

・東京公演前なら小屋入り前でしょうから、7月13日(火)に検査、7月14日(水)に結果、陽性者が出たら東京公演を中止して宮城公演初日。
・東京公演中は休演日の7月20日(火)に検査、7月21日(水)に結果、陽性者が出たら残りの東京公演と北ツアーの宮城石川を中止して広島から再開
・東京公演終了後は翌日7月26日(月)に検査、7月27日(火)に結果、陽性者が出たら北ツアーの宮城石川と西ツアーの広島福岡を中止にして長野から再開
・石川で上演前日の7月30日(金)に検査、7月31日(土)に結果、陽性者が出たら中止にするなら翌日曜日から、西ツアーの広島福岡に長野まで中止にして新潟から再開
・福岡で公演前日の8月6日(金)に検査、8月7日(土)に結果、陽性者が出たら中止にするなら翌日曜日から、北陸ツアーの長野新潟と京都の前半を中止にして途中再開、京都で中止にした分はひょっとしたら京都の後半に振替準備
・新潟で公演前日の8月13日(金)に検査、8月14日(土)に結果、陽性者が出たら翌日曜日から京都公演全日を中止
・京都は8月20日(金)に検査、8月21日(土)に結果だけど中止にするなら1日2公演の土曜日でなく翌日曜日から京都公演全日を中止
・そこからもう1週経って、8月27日(金)に検査、8月28日(土)に結果だけど中止にするなら翌日曜日だけ、それで陰性なら全員無事でお疲れ様

日程をにらめっこするとこんな想像が思い浮かびます。実際、そのくらいのことは考えていると思います。現地検査する場所では2日以上の日程を組むことで、結果を聞く時間を稼ぐのとせめて1日は公演して損を減らすことを狙う。その後の中止日程を考えて、移動の損失が出ないようにツアーの場所と順番を考える。この2点を満たすために、大阪(または神戸)と名古屋はあきらめて京都に日程を固めたのでしょう。最初は石川公演が中途半端な位置に見えたのですが、そこで陽性者が出た場合に新潟直行、という経路が見えたときには震えました(大げさ)。制作担当者もこの日程をひねり出したときはガッツポーズをしたはずです。

もちろん、途中で体調不良が起きたらアウトですが、無症状なのに検査でアウトになった場合の影響を最小限に抑えらなくてはいけません。かといってまったく検査しなかったら、何かあった場合に叩かれること必死です。そこで危機管理というと大げさですが、死活問題だから考えないといけません。実際、これだけの期間上演して、大千秋楽の1日だけ、しかも一番期間の長い京都の1日1公演だけの中止で済んだのだから、危機管理は成功です。このご時世に何とかツアー公演したい人たちのモデルにされそうな日程です。

このご時世、そもそも1日公演を含むツアー自体が不向きなのでやめたほうがいいと考えますけど、上演するほうから商売あがったりなんだよと、観るほうからお前はこの前まで東京で芝居を観ていたからそんなことが言えるんだよと、言われたら黙るほかありませんので、如何ともし難い。

<2021年9月1日(水)追記>

似たような方針で日程を立てたと思われる芝居を見つけたのでもうひとつだけご紹介。東京芸術劇場主催の「Le Fils 息子」です。日程はステージナタリーより。

・2021年8月30日(月)~9月12日(日)東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
・2021年9月17日(金)~19日(日)福岡県 北九州芸術劇場 中劇場
・2021年9月22日(水)・23日(木・祝)高知県 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
・2021年9月26日(日)石川県 能登演劇堂
・2021年9月29日(水)・30日(木)新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
・2021年10月3日(日)宮崎県 メディキット県民文化センター 演劇ホール
・2021年10月9日(土)・10日(日)長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
・2021年10月14日(木)~17日(日)兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

この中だと一見不自然に見える宮崎県の位置がポイントですね。

2021年8月24日 (火)

横浜市の市長選挙でオペラハウス反対の候補者が当選

カジノ誘致の中止が話題になっていますけど、公約に「オペラ座建設(615億円)の中止で財源確保」って書いてありますから、こちらも中止になると思います。

個人的には、神奈川芸術劇場はスタジオばかり稼働してホールは不入りだという印象があります。ましてオペラ。すぐ近くの東京のほうが大勢の観客からアクセスがいいのに、わざわざ横浜でオペラ公演やる団体があるのかよと、普通に考えます。

それは事前にも指摘されています。朝日新聞「みなとみらいに劇場構想 建設費480億、根強い慎重論」より。なおタイトルが480億ですけど、横浜市の「新たな劇場整備の検討」に載っている資料をいくつか見ると、償還財源の一般財源充当額に598億円とか566億円とか644億円とか試算が載っているので、劇場建設費だけと、それ以外も含めた総額との違いなのでしょう。今回の議論だと615億円のほうが総額の実態に近いと思います。

末崎毅 2021年8月20日 13時00分

 都心では五反田のゆうぽうとが2015年に閉館するなど、この10年ほどで劇場やホールの閉館・改修が相次いでいる。「首都圏では、本格的なオペラ・バレエなどの舞台芸術を上演するにふさわしい舞台設備を有し、十分なキャパシティーがある劇場はほとんどない」(横浜市)のだという。

 実際、あるバレエ関係者は「東京にはバレエやオペラができる、ちゃんとした劇場がいまだに少なくて困っている」と嘆く。「東京と横浜で比較すると横浜の方が集客は少ないが、東京の劇場よりも舞台機構などが整った魅力的な劇場が横浜にできれば東京から人が見にいくようになり、十分運営できるのではないか」

 横浜市内では県民ホールでバレエやオペラの公演実績があるが、開館から46年たっており設備の老朽化が気になるという。「バレエやオペラ、音楽に関わる人間で舞台芸術のための劇場ができることに反対する人間はまずいないのではないか。文化芸術の振興は歓迎で、横浜の新しい魅力になる。アジア一の舞台芸術の拠点をつくってほしい」

 一方、市の委託で株式会社日本経済研究所がまとめた19年の報告書によると、有識者らからは「新国立劇場や県民ホールなど、オペラ・バレエが上演されている劇場が近い」との課題も指摘された。東京の新国立劇場までは横浜駅から1時間かからず、県民ホールも同じ市内。横須賀市にも劇場がある。「(新劇場の)整備・運営には覚悟が必要」とされた。

 開発事業者からは「横浜とオペラ・バレエはイメージが合致するが、マーケットは厳しい」との意見も出た。市の有識者委員会ではぴあ総研の調査による国内の市場規模の推計が紹介されたが、「オペラは来日公演が減少。バレエは来日公演が多くを占め、年ごとの増減変化はあるものの全体的には横ばい傾向」だという。

 昨年末には有識者委員会が、新劇場によって「アジアの顧客などが期待できる」とした上で、整備にともなう負担は「妥当」だと提言した。しかし将来の財政悪化が見込まれる中で市議会では慎重論もある。

報告書の「覚悟が必要」とは趣深い表現です。素直に読めば「赤字になります」ですね。「ちゃんとした劇場が少なくて困っている」関係者には、ちゃんとした劇場をつくる投資をしたくなるほどの市場はない分野だと伝えたくなります。

ちなみに場所はみなとみらいと言われていますが、最寄駅は新高島駅で、横浜駅から歩くには微妙な距離です。だからバス乗場の併設まで議論されていますが、電車ではどこから行くのがいいのか微妙な立地です。集客のためには東京から一定数を見込まないといけない点で、新国立劇場の新宿から初台までとは条件が違います。

カジノの是非はさておいて、継続的な赤字が見込まれるオペラハウスの中止は妥当だと個人的には考えます。

2021年8月22日 (日)

「レ・ミゼラブル」が関係者の新型コロナウィルス陽性で博多公演中止はしょうがないとして告知がずいぶんと不親切

関係者5人で陽性反応が出て、博多公演が途中打切りになりました。このご時世、しゃあないです。

という話をステージナタリーで見かけたから公式サイトを見に行ったのですけど、いろいろ不親切でした。

東宝の舞台トップサイトレ・ミゼラブルのページ東京公演をやっていた帝国劇場のサイト、どこにも記載がありません。主催の東京公演は終わったからもう知らん、ってことですね。

・博多座はトップページ個別ページの新着情報欄にテキスト見出しは載っているけど、目立たちません。今は個別ページだと「緊急事態宣言下における8月・9月公演の開催について」がトップに載っています。上演中の舞台が残り1週間が中心になったのだから、テキストでもいいからトップのトップと、個別ページのトップと、両方に見出しとリンクを載せるほうが親切です。

博多座のTwitterは今の時点で中止情報に13時間前って表示されているから、10時の発表だった。でも本日12時公演が予定されているのを急遽中止です。PCR検査の結果は昨日8/21にわかっているので、発表がぎりぎりです。

・東宝のTwitterは、通常情報用の「東宝演劇部」と悪い知らせ用の「東宝演劇部お知らせ用」の2つのアカウントがあって、ただでさえ不親切です。で、この手の中止情報は「東宝演劇部お知らせ用」アカウントだけで知らせるのが常でしたけど、今回に限っては「東宝演劇部」アカウントにだけ、博多座の発表をリツイートしたものが載っています。どういう使い分けなのかさっぱりわかりません。

日曜日だからホームページ管理者が休みでつかまらなかったの可能性もあります。それだとしても、東宝の告知方針はよくわかりません。予想では、方針らしい方針もなく、代々の担当者に良くも悪くも依存しているように見えますが実態や如何に。

今回だと、博多座の準備がどのくらいあわただしく、事前情報がどのくらい東宝に共有されていたかはわかりませんが、発表された内容をとにかく即時リツイートした「東宝演劇部」アカウントの行動が、観客にとっては親切でした。

2021年8月16日 (月)

関係者のPCR陽性で「カノン」が初日延期(そして開幕できた)

東京芸術劇場の自主公演なので、劇場サイトが公式サイトです

『カノン』初日延期のお知らせ

この度、2021年8月19日(木)の初日開幕を予定しておりました東京芸術劇場自主事業『カノン』の公演関係者の内、2名が新型コロナウイルス感染症に感染していることが確認されました。これにより、8月19日(木)~22日(日)の計5公演を中止とし、初日を8月25日(水)に延期させていただきます。中止となる公演のご鑑賞を楽しみにされていたお客様には、深くお詫び申し上げます。

以下、これまでの経過について、ご報告いたします。

※公演関係者①は8月3日に発熱、医療機関にてPCR受検後、4日に陽性と判明。6日に保健所より本公演関係者には「濃厚接触者該当なし」の判断をいただいております。

※公演関係者②は8月8日に発熱、翌日に医療機関にてPCR受検後、10日に陽性と判明。11日に保健所より本公演関係者には「濃厚接触者該当なし」の判断をいただいております。

8月3日から6日は稽古を休止、7日に稽古場に出入りする関係者の抗原検査【陰性】を確認の上、稽古を再開しましたが、翌日8日から15日まで再び稽古を休止し、出演者・スタッフの体調の経過観察に努めました。これらを経て、8月12日から15日にかけて実施したPCR検査では、出演者・スタッフ共に関係者全員の【陰性】が確認されております。

なお、本公演の稽古においては、政府や自治体等による新型コロナウイルス感染拡大予防のためのガイドラインを遵守するとともに、出演者・スタッフの体調の経過観察に努め、マスク着用/検温と稽古場入り口での消毒実施/こまめな手洗い・うがい・手指消毒の促しと実施/稽古場での食事を禁止/定期的な換気/長時間の拘束を避けるため、稽古時間のスケジュール調整/外履きと内履きを分ける/オゾン発生器での稽古場内消毒/次亜塩素酸・アルコール等で机・椅子・道具類の消毒などの感染防止対策を徹底してまいりました。

お客様にはご迷惑ならびにお手数をお掛けしますが、公演中止の回のチケットの払い戻しをいたします。お手持ちの本公演チケットは払い戻し手続き完了まで大切に保管ください。
詳しくは下記 [チケットの払い戻しについて] をご覧ください。

なお、本公演では引き続き、お客様と公演関係者の安全と健康の確保を最優先に各種ガイドラインに基づく新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底してまいります。何卒ご理解、ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

ただ内実がよくわかりません。悪気はありませんが、とりあえず公開情報からいろいろ推測します。

・8月12日と8月13日は会場のシアターイーストに別の公演が入っており、東京芸術劇場の自主公演だからといって劇場入りが特別早くできるわけでもありません。なので公演関係者(1)も(2)も、稽古場に出入りする関係者です。

・そもそも去年中止なった公演のやり直し挑戦なので、稽古やスタッフ準備にはある程度余裕があるはずです。最初から8月23日と8月24日の2日間は休演日なので、PCR検査の結果を待った分、小屋入り後の場当たりが遅れて初日延期にしたのでしょう。それはわかります。

・8月10日に公演関係者(2)の陽性が判明したけど、PCR検査は「8月12日から15日にかけて実施」です。なんで4日もかかるのかと思いましたが、おそらく公演関係者(1)だけ、(体調が回復した前提で)発熱した8月3日から12日半計算で8月15日に検査を受けて、8月16日に陰性の結果をもらってから今回のスケジュールを決めたのでしょう。技術スタッフだとすると、舞台監督以外は別のスタッフで進めそうですし、舞台監督なら代えが効かないのでこのスケジュールでも間に合いません。だから公演関係者(1)は出演者の誰かではないかと推測します。

・一方で、8月10日に発熱があってPCR検査陽性なら12日半待ったら劇場入りがぎりぎりすぎます。出演者や技術スタッフだと場当たりに間に合いません。「8月12日から15日にかけて実施したPCR検査では、出演者・スタッフ共に関係者全員の【陰性】が確認されております」とも明記されています。ただし稽古休みにしていますから、公演関係者(2)は稽古場に出入りすることがあり、かつ劇場入りしないでも大丈夫な立場です。だとすると、こちらの候補は稽古場に来たことのある制作者か、稽古場のスタッフのどちらかではないかと推測します。

念のため、濃厚接触者の定義を東京都のサイトから拾いますが、どうでしょう。

Q 濃厚接触者とは、どのような人ですか?

A 患者の発症2日前から隔離開始までの間に、

患者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった人
適切な感染防護無しに患者を診察、看護もしくは介護していた人
患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
1メートル程度の距離で必要な予防策をとらずに患者と15分以上接触した人

が濃厚接触者と考えられます。
なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、保健所においてこのような具体的な状況をお伺いして判断します。

別に答え合せを求めているわけではありません。こんな感じじゃないかなー、というネタでした。

それにしても上演再挑戦でこんな目にあうあたり、運がありません。緊急事態宣言を駆け抜けて大阪まで完走した野田地図とくらべると、持っていません。

なんとなく、この公演はいい感じになりそうな予感があるので、個人的にはこんな状況でなければぜひ観に行きたい1本でした。だから関係者には申し訳ないですが、ここからさらに上演中止になって、来年に再々挑戦にならないかな、とうっすら願っていたりもします(さすがにそうなったら心が折れるか・・・)。

<2021年8月29日(日)追記>

続報です。追加で陽性反応が出ました。

『カノン』8月25日公演中止のお知らせ

この度、2021年8月25日(水)に公演初日を予定しておりました東京芸術劇場『カノン』の公演関係者の内、1名が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。これにより、誠に残念ながら、本日8月25日(水) 18:00開演 の公演を中止とさせていただきます。
また、8月26日(木)以降の公演につきましては決定次第、本サイト及び劇場ツイッターなどでお知らせします。

お客様にはご迷惑ならびにお手数をお掛けしますが、公演中止の回のチケットの払い戻しをいたします。詳細につきましては、後日、本サイトにてご案内いたします。お手持ちの本公演チケットは払い戻し手続き完了まで大切に保管ください。

お客様には、ご迷惑をお掛けしまして大変申し訳ございません。
何卒ご理解、ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

8月25日 東京芸術劇場

『カノン』8月26日以降の公演について

8月25日午後に判明しました東京芸術劇場『カノン』公演関係者の新型コロナウイルス感染により、8月26日(木)~8月28日(土)の公演を中止とさせていただきます。

中止公演:
8月26日(木)13:00、18:00、8月27日(金)18:00、8月28日(土)13:00、18:00(計5公演)
公演のご鑑賞を楽しみにされていたお客様には、深くお詫び申し上げます。

お客様にはご迷惑ならびにお手数をお掛けしますが、中止公演のチケットの払い戻しをいたします。払い戻し方法の詳細は、後日、本サイトにてご案内いたします。お手持ちの公演チケットは払い戻し手続き完了まで大切に保管ください。

また、8月29日(日)以降につきましては、追加公演の有無などを含め、現在協議中です。詳細が決まり次第、追って本サイト及び劇場ツイッターなどでお知らせいたします。

ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが、何卒ご理解、ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

8月25日 東京芸術劇場

『カノン』 8月29日(日)13:00回の公演について

8月29日(日)13:00回の公演については、舞台稽古の進捗が万全な状態でないことから、中止とさせていただきます。

お客様にはご迷惑ならびにお手数をお掛けしますが、中止公演のチケットの払い戻しをいたします。
払い戻し方法の詳細は、後日、本サイトにてご案内いたします。
お手持ちの公演チケットは払い戻し手続き完了まで大切に保管ください。

また、8月31日(火)以降の公演につきましては、追加公演の有無などを含め、現在協議中です。
詳細が決まり次第、追って本サイト及び劇場ツイッターなどでお知らせいたします。

ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんが、何卒ご理解、ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

8月28日 東京芸術劇場

陽性だった人は症状が出ているかどうかわかりませんが、お大事に、としか言いようがありません。一方で、一度延期になった芝居だから、出演者はだいぶ慣れたていたはずなのは先に書いた通り。多少の入替りがあったり場面カットがあったりしても、3日で対応できると思っていました。だから8月29日の中止は予想外です。

よほど特殊な舞台効果を行なっていたのでない限り、主役に近い人が当たったか、舞台監督が当たったか、どちらかでしょう。とりあえず、渡辺いっけいは無事でいてほしいです。

<2021年9月2日(木)追記>

開幕したようです。

『カノン』 8月31日(火)18:00回の公演について

「カノン」公演は、関係者の感染に伴い、現在は公演を休止し、安全確保の上、万全な状態での再開を期して懸命に調整を重ねております。
 つきましては、やむを得ず、8月31日(火)18:00回の公演を中止とさせて頂くことをお知らせ致します。

 当該公演のチケットをお持ちのお客様には、ご迷惑ならびにお手数をお掛けしますが、中止公演のチケットの払い戻しをいたします。
払い戻し方法の詳細は、後日、本サイトにてご案内いたします。
お手持ちの公演チケットは払い戻し手続き完了まで大切に保管ください。

また、9月1日(水)以降の公演につきましては、追加公演の有無などを含め、現在協議中です。
詳細が決まり次第、追って本サイト及び劇場ツイッターなどでお知らせいたします。

公演を楽しみにしていただいているお客様始め、皆様にご心配、ご迷惑をお掛けしておりますことに、心よりお詫び申し上げます。
 何卒ご理解、ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

8月29日 東京芸術劇場

『カノン』 9月1日(水)18:00回からの公演について(追加公演有)

8月27日(金)・30日(月)に実施したPCR検査で、出演者・スタッフ共に関係者全員の【陰性】が確認されました。
これにより、9月1日(水)18:00回より上演いたします。

また、以下の公演を追加します。
9月4日(土) 18:00

そのほかの日程に変更はございません。
※一部出演者に変更がございますが、チケットの変更・払い戻しはいたしません。

9月4日(土)18:00の追加公演については、9月3日(金)10:00より 東京芸術劇場ボックスオフィスWEB・電話・窓口 にて前売券を販売いたします。
なお、当日券につきましては、開演1時間前より、東京芸術劇場シアターイースト前【当日券受付】にて先着順に販売いたしますが、販売できる枚数が大変少ない場合がございます。何卒ご了承ください。

開幕に向け、キャスト・スタッフ一同、より一層の感染防止と体調管理に努めてまいります。
引き続きご支援の程、よろしくお願いいたします。

8月31日 東京芸術劇場

今から再演計画してくれないかな。

2021年8月14日 (土)

「観客が声を出さない」演劇は感染リスクが比較的低く保つことができると評価されたけどそもそも観に行くまでがリスクな状況

産経「東京の人流『7月前半の5割に』 尾身会長が提言」より。

2021/8/12 15:32

感染リスクが高い場面として、①普段から一緒にいない人との飲食や会合②長時間・大人数が集まる場面③混雑した場所と時間帯④休憩室や喫煙所、更衣室でのマスクを外した会話-を挙げた。その上で、人流を減らすためデパ地下やショッピングモールでの人出抑制や、テレワーク強化、県境を越えた移動の自粛を訴えた。

一方、感染リスクが比較的低い場所として、観客が声を出さないコンサートや演劇▽映画館▽公園▽図書館や美術館-を挙げ、「感染防止を徹底した上で利用可能」とした。自粛疲れで不満が大きくなっている国民に配慮する姿勢も示した形だ。

探したら、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策分科会「第5回 令和3年8月12日」の資料が元ネタでした。

【デルタ株の感染性と感染防止策】
〇 デルタ株の感染性はアルファ株と比して1.5倍と考えられ、感染拡大が生じやすくなっている。しかしながら、主な感染様式としては引き続きマイクロ飛沫感染や飛沫感染である。
〇 これまでのクラスターの疫学的な分析、感染した人と感染しなかった人との間でのリスク行動の差の分析、クラスター発生事例を参考にしたシミュレーションなどの結果、デルタ株の出現後においても、感染拡大リスクが高い場面は依然として
以下の場面である。
 ① 普段から一緒にいない人(同居家族以外等)との飲食や会合。
 ② 長時間・大人数が集まる場面。
 ③ 混雑した場所及び時間帯。
 ④ 休憩室や喫煙所、更衣室でのマスクを外した会話。
〇 したがって、前述の人流の5割削減を達成するにあたっては、買い物など外出機会の半減などとともに、以下のようなより感染リスクの高い場面への人流を減らす対策が必要である。
 ・百貨店の地下の食料品売り場(いわゆる「デパ地下」)やショッピングモール等の売り場への人出を強力に抑制すること。
 ・テレワークの更なる強化(特に、基礎疾患のある者や妊娠している者)。
 ・外出をなるべくせず、外出する場合には上述の感染リスクが高い場面を徹底的に避けること。感染密度の高い地域から
その他の地域へ感染が拡大しないように、県境を越える移動について、この集中対策の期間中は、慎重に検討して頂き、できれば控えること。
〇 一方、以下のようなクラスターの発生が少なく、感染リスクが比較的低く保つことができるイベントや施設は、感染防止策を徹底した上で利用可能である。
 ・観客が声を出さないコンサートや演劇
 ・映画館
 ・公園
 ・図書館や美術館等の社会教育施設

演劇が感染リスクが比較的低いと言われてめでたいこっちゃ、ですが、慌ててはいけません。

・「観客が声を出さない」が前提です。演劇なら何でもいいわけではありません。これでよっしゃ騒ぐぜと観客が早まらないでください。あと、観客同士が話す例も他の人のブログで見かけましたが、ロビーで会話するのも観客が声を出すことに含まれます。マスクをしていても会話は最低限にしましょう。

・「感染防止策を徹底した上で」も前提です。客席を間引いた対策が含まれるかどうかはここには書いてありませんが、「徹底」なら含めるべきでしょう。となると、50%客席ルールは継続と考えたほうがいいです。よっしゃ売りまくるぜと上演団体が早まらないでください。別途対応を調べてください。

・明記されていませんが、感染リスクが比較的低いとされたのは観客側のリスクです。上演側はむしろ「感染拡大リスクが高い場面」に当てはまると考えます。つい最近も、客まで巻込んだクラスターや、共演者から感染したと思われる事例がありました。劇場は客席スペースの換気は法律で決められていますが、楽屋の換気を定めた法律はまだ見たことがありません。稽古場に至っては言わずもがなです。

「外出機会の半減」が望まれている状況で、そもそもリスクは芝居だけではないのですよね。周りの人がマスクをしていても鼻出しマスクだったり、交通機関でマスクをしない人が近くにいたり、食事をするときに店内にいる他の客の会話量が気になったり、運任せの要素が多すぎます。それこそ、芝居を観に行っても、他の客のマナーに依存する要素が多い。

演劇だけのリスクを評価しても駄目で、観に行く日の1日の行動を考えて評価する必要があります。そう考えると、そもそも観客として芝居を観に行くのを控えるのが無難な感染状況だと読みました。個人的には自転車や車で行ける近所の映画館くらいが限度です。これから秋の演劇シーズンを迎えて気になる芝居が出てきますが、我慢できる限り我慢します。

とわざわざ書くことで、我慢を長持ちさせたいと思います。

2021年8月13日 (金)

劇場がクラスターになっての公演中止は起こるか

頭の体操です。上演団体側が新型コロナウィルスで公演中止になる例は散々見てきました。ところで劇場の都合で公演中止になることはあるでしょうか。

国公立の劇場が、緊急事態宣言で劇場閉鎖になって公演中止になったことはありました。これは法律に従った対応なので、国公立の劇場が従わないわけにはいきません。

民間の劇場だと、新型コロナウィルス騒動の初期に本多劇場が閉館を決断したことはありました。あれは公演中止が相次いだうえで、公演中止に踏みきれない団体があったことも大きいと思います。

今回気にしているのは、劇場のスタッフにクラスターが発生して、劇場を開けられない事態が起きるか、です。単発の感染はこれまでもありましたが、単発なので劇場閉鎖には至りませんでした。これが、劇場を開けられないくらい多数のスタッフが感染したらどうなるか、です。今の感染の拡がりを見ると、十分あり得ます。それで出てきそうな問題を2つ予想します。

ひとつは、劇場都合で公演中止になった場合の補償の話。自前の劇場で運営している歌舞伎や宝塚のような例は別として、貸劇場の場合です。上演団体の都合で中止になったら話はわかりやすいですが、劇場都合で中止の場合はどうなるのでしょう。契約書に書かれていないのではないかと思います。劇場利用料を返還のうえ、全席売れた計算で補償なんてなったら、小さいところは潰れます。さすがに昨今は物販は行なわない前提のはずですが、パンフレットくらいは補償で揉めるかもしれません。

もうひとつ。劇場スタッフがいない状態で仕込みや公演が行なわれる可能性です。特に小さい劇場ですね。補償問題になったら耐えられないので、受付も上演団体側が行なうから、鍵だけ貸して上演団体に任せる形です。これは無事に終わればいいですが、うっかりトラブルがあった場合、最初から補償問題で対応しておいたほうがよかったと後悔するくらい別の面倒な問題が発生します。まさかないとは思いますが、まさかは往々にして起きるので、要注意です。

こういうのは、付合いのある劇場同士で一時的にスタッフをお願いできたりするものでしょうか。スタッフの技量は人それぞれでしょうが、法律でそれが許されるのかがわかりません。

PCR検査を行なうから陽性者が見つかって営業できなくなる、PCR検査を行なわなければ営業を続けられる、だからPCR検査を受けさせない店(劇場ではない)があるという噂を見かけました。劇場ではそんなことがないようにしてほしいですが、そのためにはいろいろ考えておく必要がある、ということで、頭の体操でした。

«代役の準備はどのように行なわれるべきか